映画
京都シネマで「ブゴニア」を鑑賞してきました。「哀れなるものたち」で知られるヨルゴス・ランティモス監督らしく、後味の悪さが印象に残る作品でした。物語は陰謀論に取りつかれた男性が、女性社長を宇宙人だと信じて誘拐するサスペンスです。 一見すると男性は狂気に支配されているように見えますが、実は彼の推理は正しく、人類は宇宙人によって滅ぼされてしまいます。
映画を見ている間、本当に陰謀論なのかと違和感を覚える場面もありました。しかし、暴力的な描写や劇的な展開による刺激で、その感覚はつい流されてしまいました。日常生活においても、一瞬気になりはしたものの見過ごしてしまう、なかったことにしてしまう、
そのようなことがあるのではないかと感じました。
近年、AIの発達によって情報は個別に最適化され、興味ある分野を深く知ることができる一方で知識の偏りも感じるようになりました。不自由はないのですが、このままで良いのだろうかとふと考えることがあります。自分とは異なる価値観に触れる機会は確実に減っていると感じます。
「ブゴニア」のラストが示すのは、常識や多数の認識が必ずしも真実ではないという不気味さです。私たちは都合の良い解釈の中だけで生きているに過ぎず、そのことに気が付くには意識的な努力が必要なのかもしれません。
現実を疑わずに生きることが悪いことだとは思いません。ただ自分の居心地が良くない場合、気持ちに素直になり、変化を求める方が良いのではないでしょうか。せっかく人間として生きているのだから、目の前のことをただ受け入れるのではなく、違和感や疑問を大切にしながら、自分にとって最適な選択ができるようにしていきたいと思います。








